ITにおけるジョブ管理とは
ショブ管理とは、事前に登録した「処理したい一連の仕事」をコンピュータに自動で実行させる仕組みのことです。
例えばある会社が給与計算をするとなった場合、勤怠データの収集から始まり、残業時間のデータ出力、給与計算の結果を明細票に印刷する…等々多くの処理が必要となります。
利用者側から見たこの一連の処理のまとまりのことを「ジョブ」といいます。
しかし、この時間のかかる処理をコンピュータが実行し終えるまで待機していては非効率です。そこで、このジョブを自動的にまとめて効率よく処理できるようOSが管理している仕組みのことをジョブ管理といいます。
ジョブ管理の流れ
ジョブの流れを説明します。以下の図が全体の構造をざっくり説明したものです。
マスタスケジューラ
ジョブ管理をする際にユーザとの間を仲介する管理プログラムのこと。
ユーザはマスタスケジューラにジョブの実行を依頼します。
ジョブスケジューラ
マスタスケジューラから伝えられたユーザの依頼を実際に行う管理プログラムのことです。
ジョブスケジューラの実行手順
1.リーダ
依頼されたジョブを入力してジョブ待ち行列に登録します。
2.イニシエータ
優先度の高いジョブを分解します。
このとき分解される単位のことをジョブステップといいます。実行される単位はこのジョブステップで行われます。
3.ターミネータ
実行済みジョブに割り振られていたハードウェア資源の解放し、その後ジョブの結果を出力待ち行列に登録します。
4.ライタ
優先度の高い順にジョブ結果を出力していきます。
ジョブ管理の処理効率を上げる機能
スプーリング
CPUと入出力装置の処理速度は大きな差があります。
そこで、高速な磁気ディスクを仲介することで処理効率を高めた処理方法のことをスプーリングといいます。
CPUが入出力装置の処理を終えるまで待つ時間を削減するために、入出力データを高速な磁気ディスクに一度書き出します。
そうすることでコンピュータが単位時間あたりに行う仕事量(スループット)を向上することが可能になります。
まとめ
ショブ管理とは、効率的に処理が行えるようにジョブをコンピュータに自動で実行させる仕組みのことでした。また、そのジョブ管理には手順があり、ジョブ管理をさらに効率的にする機能スプーリングがありました。少しは管理システムの概要が理解できたのではないでしょうか。
以上解説はここまでです。